与える学びに限界を感じる

 KanoPC(コンピューターを身近な存在に)を組み立てた小学2年生のT君、Make Artに挑戦しました。


ガイドに従って「kano コード」をコーディングしてキャンプ場を描いていきます。

それにしても、覚えるのが早い、
キーボードでアルファベットを入力して、看板を描いていきます。

1.background blue
2.  move To 100,150
3.  color light brown
・・・

翌週のセッションで、復習をしました。
①T君が、プログラムを組み立て、コンピューターにやってもらいたいことを指示した
②コンピューターは、行番号の順番で実行していく
③図形の大きさ、カーソルの位置、フォントの決め方などの約束ごと


「看板の名前をMy CampからAcademy Campに変えるにはどうしたらいい?」
T君が答えてくれます。「18行を"Academy Camp"に変える」
「Academy Campの文字が長すぎて、看板からはみ出してしまう。どうしたらいい?」
「17行のフォントも大きさを小さくする」

見事、成功! 考え抜く姿に感動しました。

その後、T君は、テントを張ったり、キャンプ場を描くステップにチャレンジします。

しかし、ある日、
「今日は、やりたくない!」と言い出し、
その後は、パソコンを開こうとしなくなりました。

MakeArtでのワークで、
①コンピューターを身近に感じる
②コンピューターは、人が指示することで動くことを理解する
③英単語に触れる
という成果はありました。

しかし、T君の気持ちの中で変化が起きています。
「出来上がったものを指示されてつくることに楽しさを感じなくなってしまった」とのこと。

あらかじめ予想がついていたので、コーチングスタッフと
「目的を見つけて、目的に向かってパソコンを使う。そのような、課題解決型学習のテーマを考えよう」とわくわくアイデアを出し合っています。

子どもたちが「パソコンで、こんな絵を描きたい、作曲したい。恐竜のことを調べたい。」
という目的を引き出すことができる学びの場をつくる。

私たちは、日本教育工学会で「与える教育から引き出す教育へのパラダイムシフト」を提言しましたが、その仮説を裏付ける「与える学びに限界を感じる」場面に出会いました。

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