子どものキャリアプランと教育の関係について考える

外出自粛のおり、
オンライン対話「子どもの教育について語ろう」を開催した。

小学生、中学生のお子さんを持つおかあさんに参加いただき、総勢7名での対話会となった。

事前アンケートの参加理由、
子どものキャリアプランをどのように声かけしたらいいか悩んでいる」というコメントが目に飛び込んできた。

「小学生のころからお子さんのキャリアを意識しながら子どもと向き合っている方がいる!」

キャリアと教育のあり方は深く関連性があるのでは、ということで、

子どもたちのキャリアのイメージを膨らませて、子どもたちの教育の場のあり方や子どもへのかかわり方について意見交換することにした。

私たちは、多くの教育を受けてきた。
現在の自分から過去を振り返ってみると「教育」とは何か?

「国語を習うことで、話す、聴く、読むなどのコミュニケーション力を身につけた」
「自分の興味を探求する機会であった」
「対人関係を学ぶ場であった」
「いい先生との出会い等を通じて、生き方の羅針盤になった」
「今振り返ると、あたりまえだけど成長させてもらった貴重な場」
「社会に出るまでの助走期間」

という振り返りからも、教育が現在の自分に影響を与えていることに間違いない。

英語「キャリア」 Career”の語源は、ラテン語「カラリア」 carrariaの「道」や「轍(わだち)」とされているように、狭義の職業の経験、職歴に加え、
社会的・職業的に自立し、社会の中で自分の役割を果たしながら実現する自分らしい生き方という広義の意味もある。

子供たちのキャリアについて、親から強制をしてはいけないのではと思いつつ、どう接したらいいか」

子どもに「何になりたい?(狭義:職業)」という問いかけに加え、自分らしい生き方を探索してみる問いかけ「どうなっていたらいい?(広義:自分らしい生き方)」という問いかけも必要ではないか(2020年4月23日記事参照)」

子どもの思考を引き出す方法として、嫌だと思う環境からの望むべき環境を導き出すという、否定系の問いかけから入るのもありでは

「子どもたちに世の中のことに関心を持ってもらうため、例えば、持続可能な開発目標(SDGs)をテーマに話し合っている」

そして、
将来なりたい事がなくても大丈夫と導いて行くのも大切では」の意見に、
スタンフォード大学ジョン・D・グランボルツ教授のキャリア理論「計画された偶発性理論」を思い出した。 

大学生2年生(2学期)向け授業「キャリアプラン基礎」でこのスライドを見せたら、学生の目が点になった。「えっ、もうキャリアプランはいらない!」

グランボルツ教授、曰く(私の解釈を含む)

「あなた自身、あなたが取り巻く環境が常に変化しているときに、キャリアの意思決定をしないでほしい」

「大切なことは、キャリアの選択肢をオープンにしておくこと。幸運を作り出すために行動すること。夢に向かって少しづつ試してみようとすること」

「現実に起きたことを真摯に受けとめ、その中で自分を磨いていくために5つの力が必要」

  1. 好奇心:絶えず新しい学習の機会を持ち続けること
  2. 持続性:失敗に屈せず、努力し続けること
  3. 楽観性:新しい機会は必ず実現するとポジティブに考えること
  4. 柔軟性:こだわりを捨て、信念、概念、態度、行動を変えること
  5. 冒険心:結果が不確実でもリスクをとって行動を起こすこと
この5つの力は、私たちが思い描く未来のイノベーターのマインドセットともマッチする。

子どもたちがすくすく育つためには、学びの場を作ることも大事であるが、

それ以上に親、教員、スポーツ指導者、地域の人などあらゆる大人の子どもたちとの向き合い方が大切だと、
改めてオンライン対話で深く感じることができた。

子供との関わり方をテーマにディスカッションするのもいいかなとと考えている。

オンライン対話に参加いただいた、
子どもと真剣に向き合っている素敵なみなさんに感謝!

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私たちが大切にしている子どもたちへの問いかけ

みなさんは、お子さんに将来の夢を聞くとき、どのような問いかけをしますか?

何になりたい?」とお答えになる方が多いです。

そうですね、小学校の卒業アルバムを見ても、

「お医者さんになりたい」
「プロサッカー選手になりたい」
「ケーキ屋さんになる」

と、なりたい職業を書いている、というより、書かさせれていたといってもいいのかもしれません。

子どもたちに憧れの職業をイメージしてもらうことは悪いとは思いません。
しかし、「その職業に就くこと」=「人生の目的」ではない。

「何になりたい」に加えて、他の問いかけも必要ではないかと考えています。

それは「どうなっていたらいい?」という問いかけです。

そして、「何になりたい?」の前に、「〇〇ちゃんの未来はどうなっていたらいい?」と問いかけをするのがいい。


「どうなっていたらいい?」は、自分の人生、宇宙、地球、世界、日本、地域、所属するコミュニティ、明日、今日、授業終わったら・・・、なんでもかまいません。

「どうなっていたらいい?」の問いかけに、子供たちは、感情、五感をフル活用して想像します。

自発的な動機(内的動機)づけ」された「羅針盤(ゴール)」に向かって進もうとします。自発的な動機に触発されて、たとえ失敗しても最後まで諦めない気持ちを持ち続けます。

大学生に「自分の人生どうなっていたらいい?」と問いかけると、

「むずい!(難しい)」、

今まで考えたことがないので、この反応にうなづくことができます。

しかし、問いかけ続けていると、大学に合格することが目的化していた学生の学びに対する考え方や行動が変わっていくのを目の当たりにしました。

子どもの時から「どうなっていたらいい?」が習慣化され、その想いが学びにつながっていくと、

私たちがイメージする「未来のイノベーター像」の3つのマインドセット2020年4月21日記事)が育まれていくと確信しています。

みなさまに「どうなっていたらいい?」と自らに問いかけ変化を感じてみることを提案します。

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子どもたちのための「未来創造アカデミー」とは

私たち、
一般社団法人未来のイノベーター育成アカデミーは、
2020年8月に学童保育をベースにした「未来創造アカデミー」を開設します。

なぜ、学童保育とするのか、
①働くお母さんのお役に立ちたい
②子供たちが通う小学校とコラボしたい

との想いからです。

そして、私たちは、「未来創造アカデミー」での学びを通じて、

子どもたちが「学びの主人公」、自分の潜在能力に気づき、自らの力で自分の能力を伸ばしていってもらいたい。

他者との比較は一切不要、お互いが「人生の主人公」、自分の力で人生を切り拓く「生きる力」を養ってもらいたい。

新しい価値を生み出し社会に貢献する「未来のイノベーター」が育っていく、

そのような夢に向かって、私たちも子供たちと一緒に学びを深めていきたいと考えています。


私たちが、思い描く未来のイノベーターの持つマインドセットは、
①好奇心旺盛、学ぶことが楽しい
②関連づける思考で、新たな発見
③失敗から学ぶ、さあチャレンジ

この3つのマインドセットを育むため、私たちが実践する学びの場は、

課題解決型学習(PBL)× STEAM教育 × 社会性と感情の学習(SEL)

*PBL=Problem-based Learning の略
*STEAM=Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(ものづくり)、Art( 芸術)、Mathematics(数学)の5つの単語の頭文字を組み合わせた造語
*SEL=Social and Emotional Larningの略

単一教科を超えた課題に取り組む「課題解決型学習」で「STEAM人材」を育む、

多様性ある環境や仲間とコラボレーションする「課題解決型学習」を通じて、社会・他者を知り、自分を知ることで対人関係スキルを養う。


「イチローさんにとって打撃とはなんですか?」
引退を決意する半年前のイチロー選手は、
「打撃に終わりはない。年齢、肉体的にも変化していくので、追い求めていく」

素敵な言葉です。

グローバル化の進展や人口知能(AI)など絶え間ない技術革新等により急速に変化しています。

私たちも、子供たちの明るい未来に向かって、

「学びの場には、終わがない」をモットーに、追い求めていきます。

(ご参考)課題解決型学習の関連記事➡2020年4月11日記事

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子どもたちが主人公、デザイン思考で学びの場をつくる

私の授業設計は、

学びの主体は、学生、生徒たち、
どのようなことを感じているのか、どのようなことを授業で学びたいのか、
心の状態潜在的なニーズを知り、共感することからはじめます。

Aさん、Bさん、Cさんの授業を受ける前(before)の心の状態をイメージします。
そして、授業が終わった時(after)、「どのようになっていたらいいか」を問います。


そして、各回の授業で、Aさん、Bさん、Cさんがどのように変化していったらいいかを感じながらコンテンツを考えていきます。

これは、あくまでも、授業を設計する段階の「仮説」です。
授業を展開しながら仮説検証し、必要に応じて修正をしながら、ゴール(after)に向かって学生、生徒と一緒に授業をつくっていきます。

学生、生徒からの授業振り返りのフィードバックや成長する姿から、思い描いていたゴールを実感できたときは、感慨深い!

「この教育工学理論、教育現場に広く伝えていこう!」

と、思っていた矢先、「デザイン思考」に関するNHKニュースに接しました。
「なに、すでに同じ概念が存在していたのか!」

無知だった自分が恥ずかしい、と思う一方、

自分の考えでチャレンジしてきたことに誤りがなかったと、
自信につながりました。

「学童保育 未来創造アカデミー」を立ち上げるにあたって、小学生の子どもを持つ、おかあさんの子どもの教育への想い潜在的なニーズを知りたい。

そして、お子さんの学習への想い興味をもっていることを知りたい。
という想いで、オンライン対話「子どもの教育について語ろう」を開催します。

子どもの教育に関心があるおかあさん、
子どもの教育について悩んでいるおかあさん、

緊急事態宣言の期間中の限定のイベントですが、意見交換しましょう!
もちろん、おとうさんの参加も大歓迎です!

お待ちしております。 ➡ 参加登録フォーム(開催日等の詳細を確認ください)

(ご参考)デザイン思考とはなにか? イメージがわきやすいサイトです。

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子どもの興味が広がる歴史の学び方とは

親友から「わー、すごい!」という記事がfacebookに投稿された。

この友人とは、小学生のときからフロー状態になって遊んだ間柄、いろいろな遊びを教えてもらった。

天外伺朗さんが『「生きる力」の強い子を育てる』で「ども時代に、たっぷり「フロー」体験を積んだかどうかで、その人の一生は大きく変わる。」と述べている。

あの頃の体験が、自分の人生に良い影響を及ぼしているといっても過言ではない。

その友人が「歴史」を探求していることは知っていた。

「歴史年表、本日朝とうとう2000ページを超えた」と投稿される。
この内容の濃さで、2000ページ! 歴史が好きで、楽しくないと続かないですよね。

 「子供たちにとってワクワクする学びの場とは?」が頭から離れない私、メッセージを送ってみた。

私:「子供たちに歴史をベースに課題解決型の学習(PBL)をしてみたいのですが、いいアイデアないですか?」

友人:「ご当地ネタ(高知県)だったら、坂本龍馬が暗殺されていなかったら、明治維新はどうなっていた? あるいは、瀬戸内海における海賊の役割は? (中略)
自分としては興味あるけど、子どもには難しいか・・・」

と返信をくれる。

例えば、子供たちに次の課題を出したらどんなことが起きるか?

「坂本龍馬が暗殺されていなければ、どんな国になっていたか? 演劇でもいい、音楽や絵で表現してもいい。モニュメントをつくってもいい。チームでデザインして発表しよう」

坂本龍馬のことを知りたくて「竜馬がゆく」を読みたいという子がいるかもしれない。
明治維新に興味をもって調べる子もいるかもしれない。
亀山社中に関心をもって貿易に目を向ける子、海運、船舶に興味を持つ、造船技術に関心をもって船を造りたいという子も現れるかもしれない。
子どもの関心が広がっていく。想像するだけでワクワクする。

各自が深く学んだことをコラボしてデザインした国は、全く想像がつかない。
だから、楽しみ。

さらに、

「坂本龍馬、そしてみんながデザインした国のことをどこかの国の人に教えてみよう。
どの国がいい?」と問いかけてみると、

世界に関心をもって、スワヒリ語を必死に学ぶ子が現れるかもしれない。

あらゆる事象がテーマになると気づかせてくれた親友に感謝するとともに、いろいろな知見をもった人たちと連携してPBLを子どもたちに届けていければ嬉しい。

(PBLに関する参考記事→2020年4月16日記事 )

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子どもの未来への想いが同じ!



ドキュメント映画 「Most Likely To Succeed(2020年4月14日記事参照)」の舞台になった高校「High Tech High」の動画を見つけた(一般社団法人Learn by Creation)。

わたしたちも、STEAM教育、課題解決型学習(PBL)による学びの場を追い求めている。

世界、日本には同じ想いを持っている人たちがたくさんいる。

すごく勇気づけられる。

「学校の垣根を越えて、社会が連携することで、優れたSTEAM、PBLを子どもたちに届けていきましょう!」、

動画最後のメッセージに、思わず、

「はい!」と答えた自分がいる。

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保護者も子どもの教育に悩んでいる

2020年4月5日に教育談義(2020年4月5日記事参照)をさせていただいた村田園生さんから、「この映画、観てみて」と紹介された「Most Likely To Succeed」、

「これからの世界で生き抜く子供を育てる新しい学校教育とは?」をテーマにしたドキュメンタリー映画です。



この映画の舞台となる「High Tech High」という高校(2000年に開校した公立)、
学費は無料で、生徒は希望者の中から抽選で選ばれるため、多様性が高く、貧困層の子どもも多いことが特徴のようです。

生徒たちは、試験の代わりに開催される学期末の展示会に向けて、クラス単位で作品制作などのプロジェクトに取り組む、いわゆる課題解決型学習(Project-Based Learning = PBL)で教育にあたっています。

数学、歴史、科学という教科ごとの授業は一切ない。PBLによって、生徒たちが主体的に各教科を関連づけながら学び成長していく姿が描かれています。

これはまさしく、私たち「未来創造塾(一般社団法人未来のイノベーター育成アカデミー)」の学びの場と同じ、

世界に同じ想いをもった仲間がいる!」と、勇気づけられました。

この映画で気になったのは、この記事のタイトル「保護者も子どもの教育に悩んでいる」ということです。

「教科ごとの授業がなくて、本当に大丈夫なのかすごく不安」

大学に入るための学力が身につけることができる?子供の幸せを思っている。やはり一流大学を出て、一流企業で働いてもらいたい」

一方、 「社会も変化してきている。一流大学を出ても、生き残れるかどうかわからない。一流大学を出ても、AIに職を奪われてしまうかもしれない。と考えると、これからどういう教育を受けたらいいのか悩む」

えー、子どもの教育への悩みは、アメリカも日本も同じなのか!

学びの主人公は、あくまでも子ども、自分に合う学びの場を子ども自らが選択できるといい。
いろいろな教育の場があって、選択肢が増えるといい。

お父さん、お母さんと、子どもの教育について語り合うことの大切さを改めて考えさせられた映画でした。

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中学校の先生の悩み

出前授業(2020年4月11日記事参照)の中学校の英語の先生がつぶやかれた。

先生:
「先生みたいな授業ができればいいのですが・・・」

私:
「具体的に話をお聴きしてもいいですか?」

先生:
「2年生、英語の授業が楽しくないようで・・・。先生の授業で、生徒たちが目を輝けせているのを見て、いいなと思いました。でも、やれないなぁ

私:
「やれない、というと?」

先生:
「教科書をこなさなければならない。高校受験もあるし、授業のやり方を変える勇気がない。保護者からのプレッシャーもあるし・・・」

私:
「他の中学校の社会の先生も、教科書を消化しなければならない。以前は、歴史の裏話をすると生徒が目を輝かせて聴いていたのに、分量も多くなり、無駄話ができなくなったと嘆いていました。」

先生:
「先生だったらどのような英語の授業をやりますか?」

私:
「全く制約がない私のアイデアと聞いてください。人間って、楽しいと思うと、さらに楽しさを求めようとする。成長を感じるとさらに成長したいと思って夢中に取り組む。

例えば、6か月後に大学の外人教師等を招待し、英語劇の発表会を行う。生徒たちが演出、台本作りをすべて行う。英語劇をつくるうえで学びたいことがあったら、先生に「こういう授業をしてほしい」と提案させる。
このような学の場があると、短期間で英語力があがるのではないかと思います。また、英語劇のテーマが歴史物であれば、深く歴史を学ぼうとするでしょうし、コミュニケーション能力を養うことにもつながると思います」

先生:
「そうですね。生徒たちも楽しみながら学べるような気がします。今は英語のテストが終わると全部忘れてしまう。ちょっと寂しいですね。このような学びの場であれば、テストのための英語の授業ではなく、一生を通じた学びになりそう。また、教科書以上の学びもできそう。でも、できないなぁ・・・」

同じような悩み、疑問をもっている先生が、たくさんいると思います。

「不良視界の時代を生き抜く人財が育つ教育とは?」

真剣に考えてみる時期が来た、と感じることができた中学校の先生との会話でした。

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中学生の創造力に明るい未来を感じる

リーダーシップは、
チームの目標達成のために他メンバーにいい影響を及ぼす力、誰でも発揮できるもの」と学んだ中学2年生、チームの課題にどのように取り組むか楽しみ(2020年4月10日記事参照)。

最終日の2クラス合同のプレゼンテーション大会、

演劇あり、受け狙い、原稿読み上げなど各チームの表現方法は様々、生徒たちの気づきの幅が広がる。
「聞き手の心に届くプレゼンをするには?」、「なるほど!参考になる」



課題解決型学習のテーマは、「新1年生を迎える対面式を企画・立案する」、8チーム(1チーム5、6名)を編成し、課題に取り組む。

はじめに、問いかけをする。
どのようなプロセスで話し合いをする?

各チームで話し合った内容をクラス全体でシェアする。

「中学生、すごい!」、思わず驚きの言葉が出てしまった。

8チームのうち、2チームではあったが、
「まずは、目指すゴールを決めよう」、
「新1年生の気持ちを知ろう。入学した時不安だったよね。対面式が終わったらどうなっていたらいい?」。

私も、大きなプロジェクトで、目指す方向を見失って右往左往してしまったという、苦い経験をしたことがある。
大学生に同じ問いかけをすると、「まずは、みんなでアイデアを出し合う」という。
「えー、ターゲットも決まっていないのに」と思いながら、あえて失敗させていた。

新1年生の気持ちを知ろう」、まさしく「デザイン思考」!

「自分たちが1年生の時を思い出してみよう。どんな気持ちだった?」

「中学生活に馴染めるのか?」、「友達できる?」、「勉強についていける?」、「担任の先生と合うかな?」など何かと不安に感じていた。

「対面式が終わったとき、どんな気持ちになっていたらいい?」

「みんな笑顔になっていたらいいね」、「私たちのことに慕ってくれるとうれしい」、「温かい雰囲気になったいいね。オレンジ色かな」

対面式のゴールをメンバー全員で共有できると、いろいろなアイデアが湧き出てくる。

「不安なのに、いきなり自己紹介をしてもらったら、いやがるよね」、
「だったら、私たちがはじめに演劇を披露するのもありか」、・・・・。

企画書(模造紙)を各チームがつくり始める。
授業時間内に完成できないことを想定し、プレゼン大会を1週間後にしてブラッシュアップの時間を確保していた。
しかし、インフルエンザの影響で急きょ日程変更、翌日にプレゼンとタイトなスケジュールになってしまった。「大丈夫かな?」

不安は何のその、放課後に全チーム仕上げたとのこと。

全員がリーダーシップを発揮している!

2クラス合同のプレゼン大会は、盛り上がった!
隣のクラスのアイデアを知るのも新鮮、違った視点を発見できる。

評価シートに基づき、生徒全員に他チームを採点してもらい、企画書に投票シールを張ってもらう。

やはり、「ゴールにめがけて企画を練り上げたチーム」、「プレゼンを念入りに事前準備してきたチーム」が高得点をあげた。

「おめでとう!」、盛大な拍手で讃える!

2年生全員から授業感想文をいただく。

課題解型学習を通じて、自己の成長を感じている生徒たちのメッセージを読んで、自信につながる!

感想文は私の宝物!


いろいろなことを学ばせていただいた生徒のみなさん、そして、出前授業に読んでいただいた学年担任の先生のみなさんに感謝!

新型コロナウイルスの影響で、対面式が中止となってしまったとのこと、残念!

でも、体験を通じて学んだことは、忘れません。
明るい未来を築く「未来のイノベーター」をこれからも応援します。
ガンバ!

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課題解決型学習(PBL)は大学生だけのもの?

ある中学校から出前授業の機会をもらった。
44名(2クラス)の中学2年生と5日間(2020年2月)、一緒に学ぶことに、貴重な体験に感謝!
テーマは、「課題解決型学習 チームで最大の成果をあげるためには?」
2年生学年担当の先生の「4月から最高学年、みんなで力を合わせて笑顔いっぱいの学校にしよう」という想いに共感し、授業を設計する。

大学では、課題解決型学習の実効性を確認できたが(2020年4月8日記事)、「課題解決型学習、中学生になじむ?」、「50分授業、短くない!」など、不安な気持ちでいっぱいだった。

そんな不安、1回目の授業で吹き飛ぶ。
「中学生、すごい!」

最終回授業が終わったあとの記念写真、
「ぼかし」が入って、生徒たちの笑顔をお見せできないのが、残念!
自分たちで自ら考え行動し、プレゼンまでやり抜いた。自信に満ちた笑顔がまぶしい!






* 第1回目授業の様子 ******
チームで課題に取り組むにあたって、全員にリーダーシップを発揮してもらいたい、まずは、リーダーシップとはなにかを生徒たちと考えることにする。
①自分の考えをまとめる
②グループディスカッションを通じて、いろいろな考えに接する
③自分の考えを深める、
いわゆる、アクティブラーニングで進める。

「リーダーシップってなに?」
グループごとに発表してもらい、クラス全体で意見交換する。
「みんなを引っ張っていく力」、「みんなをまとめる力」、「明るい人のイメージ」、「みんなから信頼されること」・・・・、いろいろと出てくる。

深く掘り下げてみたくなるワードが出てきたら、クラス全体に問いかけをしてみる。

「みんなをまとめる力というのは? 具体的に教えて」、

人前で間違えてはいけないという気持ちが強いのか、自ら手をあげる大学生は少ないが、中学生は、気持ちよく手があがる。おっと、こちらもテンションがあがる。

「リーダーシップはだれのもの?」と問いかけると、

リーダーが発揮するもの」、クラス・ディスカッションでの仮設が一旦まとまった。

ここで、チームに課題を提示する。
「この廃紙を使って、一番高いタワーをつくろう。
1分間の作戦会議のあと、5分間で完成させよう。はい、スタート!」

生徒たちは、あーでもない、こーでもないとアイデアを出しながら、紙を折る。
「そーっと積んで!」、「それ以上やると倒れる」、「フレーフレー!」、チーム応援団が現れる。

見ているだけでも楽しい!

「はい、終了」、
「やったー」、「あのチームすごい、負けた」、歓声、落胆の声が入り混じる。

「自分がチームに貢献したことを各自、ワークシートに書き出してみて。
どんな小さいことでもいいから自分の良かったことをたくさん見つけて(写真の様子)」、振り返りを促す。






「チームメンバーに自分が貢献したことをシェアしよう」
メンバーから「ナイスチャレンジ!」、「ありがとう!」、「いいね!」という勇気づけの言葉が飛び交う。
シェアした生徒の照れた顔が可愛い。

クラス全体に問いかけてみる。
「ところで、ペーパータワーのワークで、リーダーを決めて取り組んだチームはある?」

リーダーを決めてチームビルディングに取り組んだチームはなかった。

「もう一度、リーダーシップってなにか考えてみよう」と意見を求めると、

「リーダーだけのものではない」、「全員が自分の強みを活かしてチームに貢献していた」、ディスカッションの結果、リーダ一シップのイメージがクラスでまとまった。
<リーダーシップとは>
①リーダーだけのものではなく、全員が発揮できる
②まとめる、引っ張る力というより、目標達成のために他のメンバーにいい影響を及ぼす力

そして、リーダシップは学習が可能ということに気づいた生徒たちの笑顔はまぶしかった。

次回以降の授業で、
「新1年生を迎える対面式の企画立案」にチームで取り組む。

目標達成のために、他のメンバーにいい影響を及ぼせる自分に気づき、チャレンジしている姿がみたい。

アクティブラーニング、課題解決型学習(PBL)は、大学だけではなく、どの年代でも学びを深めることができるのではないかと感じた。
2020年4月13日記事に続く

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課題解決型学習(PBL)で大学生の好奇心に火をつける!

学生に
「新たな価値の創造にチャレンジしてもらいたい」、
「世の中の動向、課題に関心を持って、学びを深めてもらいたい」、
「社会に必要な力を身につけてもらいたい」、
そのような想いから、課題解決型学習PBLProject-Based Learning)中心の授業を行ってきた。

キャリア教育の授業で、
ナカバヤシ(株)から「大阪万博2025に向けて、いのち輝く未来ビジネスをデザインする」という業務課題を命じられる(ナカバヤシ(株)様に登壇いただく)。

受講者は、社会に出ること、働くことが漠然として不安を感じている大学2年生、4週間後の社内企画会議に向けて、プロジェクトがスタートした。

「テーマが漠然としている」
「どうやって進めたらいい?」
「ムズイ(難しいの意味)」
「まずは、各自でアイデアを出しあわない?」
「その進め方、収拾つかなくなりそう」・・・、
なかなか苦戦している様子。

学生の課題を奪ってはならない、ひたすら見守ることに徹する(ぐっと我慢)
すると、行き詰ったチームが、他のチームと意見交換を始めた。
心の中で「いいねー」とつぶやく。

「そうか! チームとして目指すゴールを決めよう」
「ターゲットを決めよう。誰がどうなっていたらいいかをみんなで考えよう」
「各自で、気になる社会問題、課題を出し合わない」・・・、
持続可能な開発目標(SDGs)なんていうワードを飛び出す。

学生が自らの力で、前進している姿を見ると嬉しい。思わず顔が緩む。


4週間後の社内企画会議で発表された
「コンサートに時空間移動 クリアビジョンシステム」
「南海トラフ地震 老人、子供を津波から救うエアーリフトで緊急避難」
「捨てたいときにやってくる自動分別 万能ごみ箱」、



1970年大阪万博で夢見て実現・普及した「ワイヤレスホン」、「テレビ電話」、「電波時計」、「歩く歩道」に続け!

(写っているのは、学生ではありません。私です)














授業設計者にとって、
学生の学びに貢献できたと実感できるメッセージは、最高の贈りもの。
「課題解決型学習」は、「学び方を学ぶ」場、
「学ぶのが楽しい」学びの場になると確信できた貴重な体験に感謝!

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「T字型人財」がこれからの社会を動かす!

高知工科大学 磯部学長から教育について話をお聴きする機会をいただいた。

実に楽しい、いやー、もっと早くお話がしたかった。もっと深く教育談義をしたかった。
大学は離れたが、「思いは招く」、また機会が訪れると信じている。

「本学の学生には、専門分野を極めてもらいたい。専門分野を極めると自信にもつながる。周辺にも関心が広がり視野が広がる
例えば、ベルヌーイの定理と高速道路のメカニズムを関連付けて考察する学生がいたら面白い」

学生時代、ベルヌーイの定理に裏付けられたハンググライダーで大空を飛び回っていた私、思わず、「面白い!」と大きくうなづき、
「専門分野を縦棒の”|”、幅広い視野を横棒”-”、つまりT字型人財ですね。
学生がT字型人財に育ち、いろいろなものを関連づけて新た価値を創造し始めたらワクワクしますね。」

満面の笑みで「ワクワクしますね!」とうなづかれた。
(課題解決型学習(PBL)の様子)

このT字型人財は、
視察された村田さんからお聞きしたした米国のリベラル・アーツ教育で求めている人財、
Specialized Generalists、専門性を持つジェネラリスト!」と近い!!
2020年4月5日記事参照
自分の中で、結びついたのが嬉しい。

磯部学長の「私、高校時代、数学の難問を解いた時の喜び、達成感を忘れることができない。学生にも、学ぶ楽しさを味わってもらいたい」は、

私たちがイメージしている未来のイノベーター像 「①好奇心旺盛、学ぶことが楽しい!」と目指す方向感が同じ。
私たちが実現したいことに、自信をもってチャレンジしてもいい!

勇気をいただいた磯部学長に、感謝!

(ご参考)高知工科大学ホームページより「学長ご挨拶」
https://www.kochi-tech.ac.jp/about/kut/greetings.html

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育てるから育つ教育への転換で学びが好きな子どもが増える!

私を教育者として育ててくれた高知工科大学(高知県公立大学法人)は、
教育モットーとして、「人が育つ大学」を掲げている。

https://www.kochi-tech.ac.jp/about/kut/ranking.html

教員が学生とタテの関係で「育てる」という感覚を捨てて、学生が「育つ」授業を行うためにどうしたらいいか?

教育とは何かを問いながら授業を設計した。

たどり着いたのは、「与える授業」から「引き出す授業」への転換。

古代ギリシャの哲学者 ソクラテス(紀元前469年頃~紀元前399年)は、「問答法」という手法を用いて「引き出す」教育を行っていたという。
(ご参考)
英語 education(教育)の語源➡ラテン語 educatio(引き出す)

学生が、自ら課題を発見し解決策を考える授業、
教員は、授業のプロセスを考えて、学生に問いかけし、学生の思考を深め、疑問を引き出すファシリテーター、教育コーチに徹する。
教員と学生がヨコの関係性になり「育てる」から「育つ」への変化を実感する。

学生が自ら課題を発見し、解決した時の嬉しそうな笑顔、
学ぶ楽しさを感じた瞬間を学生と共感するのが至福の喜び。

私たち「未来創造アカデミー」は、
目をギラギラ輝けせてチャレンジしている未来のイノベーターをみて感動したい!、
このような想いで「引き出す」教育を追求していきます。

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人間の持つ潜在能力を最大限高める教育とは

同じ想いをもった村田園生さんと教育談義をした!
村田さんとは、3年半前に『平本式「現場変革リーダー養成コース」』で知り合った。
現在、神奈川県で英語の授業の導入が目前に迫った小学校で支援活動をされている。

未来のイノベーターが社会に羽ばたく姿を想像しながら、あっという間の1時間40分、熱く語り合った。

何よりも驚いたのは、6年もの前に大学受験一辺倒の教育の在り方に疑問を持っていたということ。
「2014 年 教育使節団 第 3 回米国ワールドランキングトップ大学視察旅行」に参加し、米国の、Human development 「個々の生徒の力を最大限に引き出す教育」を目の当たりにして、日本の教育のあり方を見直す必要性を痛感されたとのこと。

「でも、あの当時、勤めてした学校(私学 中高一貫校)で必要性を訴えても、みなさんの心に響かなかったなぁ。でも、これからがチャンスかもしれない」

勇気づけられるお言葉に嬉しさを感じる以上に、この方と一緒にタッグを組んで、行動すれば何かが生まれると感じる(直感を信じている自分)。
米国視察の話で印象的だったのは、
幼少から行われる (小学校~大学院まで)「リベラル・アーツ教育」の最大の目標。
①Human development 「個々の生徒の力を最大限に引き出す教育」
②「個別のコーチング」 (ティーチング、ではない)
 (「与える」教育ではなく「引き出す」教育)
③「ユニーク性」… 「個」としての自分が、どう輝けるか

「リベラル・アーツ教育」の目標の先にある目的は、
子供たち、学生たちが、
①ワクワク感 (passion) 授業が面白い、勉強したいという気持ち
② 問題解決能力 (problem solving)
③ 革新的で、新しいものを生み出す力 (innovative, creative)
を育み、よりよい社会を築いていくこと。

私たちが描く「未来のイノベーター像」とマッチ、
①好奇心旺盛、学ぶことが楽しい!
②関連付ける思考で、新たな発見!
③失敗から学ぶ、さあチャレンジ!

私たちが実現しようとしていることに自信を持つことができた、有意義な時間、そして、同じ想いを持った仲間との出会いに、
感謝!

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子どもたちがすくすく育つ、未来のイノベーター像

私たちが描く、未来のイノベーター像は、
①好奇心旺盛、学ぶことが楽しい!
②関連づける思考で、新たな発見!
③失敗から学ぶ、さあチャレンジ!

このようなマインドセットをもった子供たちが育って社会に飛び出すと、
日本の未来はどうなっている?

想像するだけでわくわくしませんか!

クレイトン・クリステンセン教授(ハーバード・ビジネス・スクール)らは、研究によって「イノベータ(注)DNA」と呼ぶ5つのスキルを導き出しました。
(注)著書では、「イノベータ」と表記されている。引用箇所ではこの表記を使う。


革新的なビジネスアイデアを生み出したイノベータは、
◎行動的スキル
「質問力」、「観察力」、「ネットワーク力」、「実験力」
◎斬新なインプットを組み合わせる認知的スキル
「関連づける思考」
の5つのスキルを持っている。

これらのスキルは、誰でも磨くことができると考えています。

クレイトン・クリステンセン教授らは、著書の「最後の呼びかけ」で

『われわれの最後の呼びかけはこれだ。「若いイノベータの育ての親になろう!」、一人でもいい、その子のイノベーション能力を尊重し、強化してやろう』

『われわれは、一人ひとりの人間の力を信じている。一人の大人が一人の子どものイノベーション能力を尊重することが、次世代の破壊的イノベーターを育てる大きな助けになるはずだ』

私たち『未来創造塾(一般社団法人未来のイノベーター育成アカデミー)』は、
未来のイノベーターが育つ『学びの場』を研究・実践していきたいと考えています。


参考文献クレイトン・クリステンセン,ジェフリー・ダイア―,ハル・グレガーセン(2012)『イノベーションのDNA-破壊的イノベータ5つのスキル』,翔泳社

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イノベーションを起こすマインドセット

イノーベーションを起こす人は、どのようなマインドセットを持っているのか?

①型にはまらない(think out of the box)

②ひとまずやってみる(give it a try)

③失敗して、前進する(fail forward)





既存の価値観にとらわれない自由な着想を行う。
いろいろな価値観に触れて、自分の視野を広げることが習慣化している。
そして、なにより大切なことは、無理と決めつけてしまうと、新しいものを生み出すことができないと意識している。

「試してみることに失敗はない!」
行動を起こさないとなにも生まれない。
行動には、リスクが伴う。しかし、リスクゼロの挑戦などチャレンジではない。
失敗から多くのことを学び、さらなる一歩につなげる

このようなマインドセット、だれでも持つことができると思いませんか?
次回は、イノベーターの持つ5つのスキルについて、考えてみたいと思います。

参考文献:ヤング吉原真理子・木島里江(2019)『世界を変えるSTEAM人材』朝日新聞出版

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エコハウスをつくってプログラミング的思考を養う

 体験会「脱炭素、エコハウスをつくろう」に3組の兄妹、姉妹が参加してくれました。まずは、素敵な時間をシェアできたことに感謝です。 タイトルは、「エコハウスをつくってプログラミング的思考を養う」としましたが、微妙に違っています。 段ボールでエコハウスを作っている子どもたちを観察して...