課題解決型学習(PBL)は大学生だけのもの?

ある中学校から出前授業の機会をもらった。
44名(2クラス)の中学2年生と5日間(2020年2月)、一緒に学ぶことに、貴重な体験に感謝!
テーマは、「課題解決型学習 チームで最大の成果をあげるためには?」
2年生学年担当の先生の「4月から最高学年、みんなで力を合わせて笑顔いっぱいの学校にしよう」という想いに共感し、授業を設計する。

大学では、課題解決型学習の実効性を確認できたが(2020年4月8日記事)、「課題解決型学習、中学生になじむ?」、「50分授業、短くない!」など、不安な気持ちでいっぱいだった。

そんな不安、1回目の授業で吹き飛ぶ。
「中学生、すごい!」

最終回授業が終わったあとの記念写真、
「ぼかし」が入って、生徒たちの笑顔をお見せできないのが、残念!
自分たちで自ら考え行動し、プレゼンまでやり抜いた。自信に満ちた笑顔がまぶしい!






* 第1回目授業の様子 ******
チームで課題に取り組むにあたって、全員にリーダーシップを発揮してもらいたい、まずは、リーダーシップとはなにかを生徒たちと考えることにする。
①自分の考えをまとめる
②グループディスカッションを通じて、いろいろな考えに接する
③自分の考えを深める、
いわゆる、アクティブラーニングで進める。

「リーダーシップってなに?」
グループごとに発表してもらい、クラス全体で意見交換する。
「みんなを引っ張っていく力」、「みんなをまとめる力」、「明るい人のイメージ」、「みんなから信頼されること」・・・・、いろいろと出てくる。

深く掘り下げてみたくなるワードが出てきたら、クラス全体に問いかけをしてみる。

「みんなをまとめる力というのは? 具体的に教えて」、

人前で間違えてはいけないという気持ちが強いのか、自ら手をあげる大学生は少ないが、中学生は、気持ちよく手があがる。おっと、こちらもテンションがあがる。

「リーダーシップはだれのもの?」と問いかけると、

リーダーが発揮するもの」、クラス・ディスカッションでの仮設が一旦まとまった。

ここで、チームに課題を提示する。
「この廃紙を使って、一番高いタワーをつくろう。
1分間の作戦会議のあと、5分間で完成させよう。はい、スタート!」

生徒たちは、あーでもない、こーでもないとアイデアを出しながら、紙を折る。
「そーっと積んで!」、「それ以上やると倒れる」、「フレーフレー!」、チーム応援団が現れる。

見ているだけでも楽しい!

「はい、終了」、
「やったー」、「あのチームすごい、負けた」、歓声、落胆の声が入り混じる。

「自分がチームに貢献したことを各自、ワークシートに書き出してみて。
どんな小さいことでもいいから自分の良かったことをたくさん見つけて(写真の様子)」、振り返りを促す。






「チームメンバーに自分が貢献したことをシェアしよう」
メンバーから「ナイスチャレンジ!」、「ありがとう!」、「いいね!」という勇気づけの言葉が飛び交う。
シェアした生徒の照れた顔が可愛い。

クラス全体に問いかけてみる。
「ところで、ペーパータワーのワークで、リーダーを決めて取り組んだチームはある?」

リーダーを決めてチームビルディングに取り組んだチームはなかった。

「もう一度、リーダーシップってなにか考えてみよう」と意見を求めると、

「リーダーだけのものではない」、「全員が自分の強みを活かしてチームに貢献していた」、ディスカッションの結果、リーダ一シップのイメージがクラスでまとまった。
<リーダーシップとは>
①リーダーだけのものではなく、全員が発揮できる
②まとめる、引っ張る力というより、目標達成のために他のメンバーにいい影響を及ぼす力

そして、リーダシップは学習が可能ということに気づいた生徒たちの笑顔はまぶしかった。

次回以降の授業で、
「新1年生を迎える対面式の企画立案」にチームで取り組む。

目標達成のために、他のメンバーにいい影響を及ぼせる自分に気づき、チャレンジしている姿がみたい。

アクティブラーニング、課題解決型学習(PBL)は、大学だけではなく、どの年代でも学びを深めることができるのではないかと感じた。
2020年4月13日記事に続く

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